厚生労働省は27日、特別養護老人ホーム(特養)への入所を申し込んでも入れない待機者が昨年、全国で約36万6千人だったとの調査結果を発表した。2013年の前回調査の約52万4千人より30%減った。介護費用の膨張を背景に、15年4月から新規入所の条件が厳格化され、要介護3以上の中重度者が原則となったことが主な要因だ。

 見た目の待機者数は大幅に減った形。しかし軽度の要介護1、2でも認知症や知的障害、虐待の恐れなどから自宅で暮らすのが困難な場合は入所できる特例があるのに、こうした高齢者が門前払いになっているとの指摘もある。軽度者に対するきめ細かい配慮や、充実した在宅介護の環境整備が求められそうだ。

 調査は都道府県に昨年4月時点の特養待機者数の報告を求め、集計した。一部で調査時点や集計手法にばらつきがある。

 要介護3~5の待機者は約29万5千人で前回より約5万人減った。厚労省は「施設整備や在宅サービスの確保が進んだため」と説明している。佐賀県の待機者は2083人、うち在宅は738人だった。

 要介護3以上の待機者のうち在宅の人は42%の約12万3千人。在宅以外では老人保健施設(約6万6千人)、医療機関(約5万人)、認知症グループホーム(約1万7千人)が多かった。

 軽度者(要介護1、2)も約7万1千人が入所を希望。入所条件厳格化の影響が大きく、前回の約17万8千人(要支援を含む)から60%減った。

 要介護3以上の待機者を都道府県別でみると、最多は東京都の2万4815人で、次いで神奈川県1万6691人、兵庫県1万4983人。最も少ないのは徳島県の1161人だった。

 これまでの調査では複数の特養に申し込んだ人を別々に計上しているケースがあったが、今回は重複を避けて集計した。【共同】

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