新設された馴致牛舎。子牛を1頭ずつ管理し、衛生面を向上させた=唐津市浦のJAからつキャトルステーション

■牛舎新設、衛生徹底病気を予防

 和牛の子牛を繁殖農家から預かり、一定期間育てるJAからつの共同施設「キャトルステーション(CS)」(唐津市浦)に、病気にかかりやすい生後間もない子牛を個別管理する馴致(じゅんち)牛舎が新設された。これまで数頭単位だった子牛を1頭ずつ仕切り、きめ細やかに飼養管理する体制を確立。繁殖農家の減少に伴って子牛価格の高騰が続いており、預かった子牛の病気予防と事故率低減に努める。

 CSは、高齢化や後継者不足に悩む繁殖農家の労力軽減や規模拡大を目的に造られた県内唯一の施設で、2011年10月から稼働。生後7日と3、4カ月の子牛を農家から預かり、子牛市場に出荷する9~10カ月まで育てている。

 成長段階に応じてほ乳牛舎、育成牛舎があり、3月に新設した馴致牛舎の面積は879・6平方メートル。100頭の個別管理が可能という。病気がまん延しないように3方向をプラスチック製で高圧洗浄機が使用できるパネルで囲い、衛生面を向上させた。

 今年から専任の獣医師も配置しており、予防注射や牛舎消毒の徹底、病気の早期発見、早期治療にこれまで以上に力を入れる。設計費を含む総事業費は7938万円で、うち約6割を国や県、市町から補助を受けた。

 22日には山口祥義県知事が新牛舎を視察し、JAからつの堤武彦組合長や繁殖農家らと意見交換した。山口知事は「病院の機能も備わった牛の保育園」と例えながら、生育不良の防止と安定出荷に期待した。

 施設に約100頭を預けている東松浦郡玄海町の中山裕さん(49)は「衛生管理が徹底され、早めの治療もできるので安心できる」と期待。子牛の飼育を委託することで自前の牛舎に余裕ができ、母牛を増やせるメリットもあるという。

 受け入れ頭数の増加に対応するため、JAからつは本年度中に育成牛舎と堆肥舎の増設も計画。施設全体で960頭を管理できるようになる。

 施設所長を務めるJAからつの美間坂利明畜産課長は「地域の繁殖農家の労働力削減と肥育農家への安定供給、農家の高齢化対策につながるよう事業を進めていきたい」と話す。

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