政府の働き方改革実現会議が、残業時間の上限規制に関し、単月だけでなく半年から1年など一定期間の幅を持たせ、その間の総残業時間に上限を設ける方針であることが25日、関係者への取材で分かった。1カ月当たりの上限は過労死ラインの月80時間未満を目指し、議論を進める見通し。

 2月1日の会議から残業の上限規制に関する議論を本格化させる。政府は3月中に働き方改革の実行計画をまとめ、それを基に労働基準法の改正案を国会に提出する。

 安倍晋三首相は20日の施政方針演説で「罰則付きの時間外労働(残業)の限度を定める法改正に向けて、作業を加速する」と強い意気込みを示しており、実効性のある対策を打ち出せるかが焦点となる。

 労働者を残業させるためには労使協定(三六協定)を結ぶ必要があり、厚生労働省は残業時間の上限を月45時間と告示しているが、特別条項を設ければ、年に6回まで上限を超える残業時間を設定することも可能。残業時間は「事実上、青天井」との批判は根強く、政府は特別条項で設けられる残業時間についても一定の歯止めを設定する考えだ。

 ただ、残業時間を一律に規制すると経営者側からの反発も予想されることから、一定期間の幅を持たせて残業時間を規制する案が浮上。繁忙期に残業時間が延びたとしても、閑散期に調整することができ、企業も柔軟に対応できるというわけだ。

 一律の上限を定めると業務が回らなくなる職種もあるとの指摘を受け、規制の対象外とする業種を設けることも検討する。【共同】

■長時間労働の規制 労働基準法は労働時間を1日8時間、週40時間までと規定し、企業が残業をさせる場合は、労使が合意して上限を決めた協定(三六協定)を結ぶ必要がある。厚生労働省が告示する基準(月45時間の残業時間)を超えた協定を結ぶことも可能。その上、特別条項を付ければ年6回まで協定で決めた上限をさらに超える時間も設定できる。協定を結ばずに残業させたり、協定した時間を超えて残業させたりした場合は違法となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となる。

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