鹿児島地震を想定した演習で、患者役に話を聞く参加者=吉野ヶ里町の肥前精神医療センター

 地震などの大規模災害時に被災地の精神科医療の支援に当たる専門チーム「DPAT(ディーパット)」の隊員養成研修会が21、22の2日間、吉野ケ里町の肥前精神医療センターであった。熊本地震でも活動した専門チームの拡充に向け、医療、保健、行政関係者ら約70人が、被災地支援のノウハウを学んだ。

 DPATは、東日本大震災で被災者の心のケアが行き届かなかった経験から、2013年に厚生労働省が行動要領を定めた。心身の不調を訴える被災者や継続的な治療が受けられなくなった精神疾患患者の治療や支援に当たる。昨年3月に県チームが発足し、熊本地震に9隊35人が派遣された。現在47人の隊員が登録する。

 研修会は、隊員養成と隊員の能力向上を目的に開催した。2日目の22日は、鹿児島湾内深さ30メートルを震源としたマグニチュード7・3の地震を想定し、発生から被災地での活動までを演習した。参加者は、隊員と被災者役に分かれ、現地での情報収集や、災害で不安定になった患者のケアなど状況に応じた対応を学んだ。

 唐津市の精神科病院事務の石橋友明さん(40)は「分からないことばかりで大変だったが、刺激になった。自分に何が出来るか考える機会になった」と研修を振り返った。

 県DPATを統括する同センターの宮下聡医師は「研修で学んだことは、普段の業務で生かせることもある。平時から災害発生に備え、意識を高めてほしい」と参加者に期待していた。

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