10月の経営統合を目指していたふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と長崎県地盤の十八銀行は21日、統合時期の再延期に向けて協議していると正式発表した。来週前半にも再延期を決定する。公正取引委員会の統合審査が難航していることが原因。十八銀の幹部は、今後も公取委の理解を得られない場合は「統合の断念もあり得る」との認識を示した。

 FFGと十八銀は統合後、FFG傘下の親和銀行(長崎県佐世保市)と十八銀を合併させる計画で、同一県内の有力地銀同士の合従連衡になるとして注目されていた。公取委が認めない中、金融庁は「当事者努力で」と推移を見守るしかなく、今後、ほかの地銀が再編に二の足を踏む恐れもある。

 公取委は長崎県内の貸出金シェアが7割に達し、競争環境が保てないことを問題視しているとされる。FFGと十八銀は長崎県の企業向け貸出債権の一部を他金融機関に譲渡し、貸出金シェアを下げる案を検討。6月には譲渡可能額は1千億円弱と伝えたもようだが、公取委は2千億円超の規模を求めているとみられ「今の提案では承認は難しい」(関係者)と譲歩の気配はみられない。

 FFGと十八銀は、当初は今年4月の統合を目指していたが、公取委の審査が長期化したため、1月に統合時期を半年間延期すると発表した。先行きが見えない状況に金融庁幹部は「統合が顧客の利益につながることを当事者から丁寧に説明してもらうしかない」と静観の構えだ。

 金融庁の試算では、2025年3月期には6割の地銀が本業の融資などで赤字となる見通し。金融庁自身は「再編を促進しているわけではない」(幹部)との立場だが、国内では生き残りをかけた統合・再編の動きが活発化。今年2月には三重県の2地銀、4月には新潟県の2地銀が統合で基本合意した。中部地方の地銀関係者は「(FFGと十八銀が破談になれば)同じような再編を考えていた金融機関は再考を迫られるかもしれない」と話している。【共同】

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