候補者の第一声に耳を傾ける支持者。現職の無投票当選が決まり、選挙戦は1日で終わった=三養基郡みやき町

 28日告示された三養基郡みやき町長選は、現職だけが立候補を届け出、3回連続の無投票当選が決まった。現職の実兄が出馬の意欲を見せ、異例の「兄弟対決」として全国的にも注目を集めていたが、結局当日になって断念。町民からは「対抗馬が立てない雰囲気があるのでは」「4年に1度ぐらいは活発な議論がほしい」という声が漏れた。

 3年前に久留米市から移り住んだという30代女性は「久留米では毎回選挙になるのが普通。首長の選挙が3回も連続でないなんて」と驚いた様子。「候補者それぞれの考えを聞く機会が欲しかった」とため息をついた。

 町議補選の選挙カーが走り回る中、町長選は告示日の午後5時で早くも幕切れ。50代女性は「現職の取り組みを否定するわけではないが、行政の風通しを良くするためにも、選挙してほしかった」と残念がる。「4年に1度の節目があってこそ、価値ある役職になる。それこそ活気ある町なのでは」と投げ掛ける。

 現職の実兄は今年1月に出馬の意向を示し、町内を街宣カーで回るなど活発に動いていただけに、町民は肩すかしを受けた格好に。ある町議は「あれだけ騒がせて、結局何がしたかったのか」。自営業の男性(57)は「兄弟仲の悪さが知れ渡っただけ。町議はイエスマンにならず、積極的に町政の課題点を追及してほしい。より役割が大事になった」と注文する。

 合併時に選挙があったものの、現職は旧町時代と合わせ、7期目となる。佐賀大経済学部の畑山敏夫教授(政治学)は「いかにいい人であっても、20年以上1人が続けるのはあまり好ましいとは言えない。新しい人材も育たず、閉塞(へいそく)感が生じる」と指摘する。「選挙という民主主義の基本的プロセスが働かなかった以上、住民の要望をすくい上げる機会を積極的に設け、対話型の町政となるよう工夫すべきだ」と語る。

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