南スーダン・ジュバの病院に入院するアルフレッド君。右は母マティナさん=24日(共同)

南スーダン・ジュバの避難民キャンプで取材に答えるニャヤト・オロックさん(左)。被弾した左脚は切断された=23日(共同)

■やせた男児、母「食料を」

 腕がすぐ折れそうなほどやせこけた男児。母親は「食料が足りない」と嘆いた。陸上自衛隊部隊が25日に国連平和維持活動(PKO)から全て撤収した南スーダン。日本政府は「国造りが新たな段階」を迎えたとするが、現地では内戦状態が続き、食料危機が深刻化している。戦闘を逃れ、キャンプに避難する人も後を絶たない。独立から6年弱。人々は絶望の淵にいた。

 陸自部隊の派遣先だった酷暑の首都ジュバ。病院のベッドに、多くの栄養失調の子どもが横たわっていた。アルフレッド君(7)は郊外から2日前に運び込まれた。体重は標準を大幅に下回る約13キロ。昨年に続き2回目の入院という。

 「1日1、2回しか子どもに食べさせてやれないの」とこぼす母マティナさん(30)。夫は北東部マラカルの前線で戦闘に参加しており、自身で集めたまきを売り、6人の子どもを育てているという。「内戦が早く終わってほしい」と訴える。

 2011年7月の独立の約2年半後に内戦状態に陥った南スーダンでは、昨年7月にジュバで大規模な争いが再燃した後、各地で戦闘が激化。北部の一部地域では飢饉(ききん)が宣言された。国連によると約550万人が深刻な食料不足。国民の半数近くだ。

 医師フェリックス・ニョンゴラさん(62)は「病院に運ばれても助からない栄養失調の子どもも多い。医薬品が全然足らない」と支援を訴える。

 陸自部隊も整備に関わってジュバ郊外に設けられた国連のキャンプには、治安の悪化で各地から避難民の到着が続いている。収容人数は現在、3万9千人近く。以前は、政府軍に多い最大民族ディンカの襲撃を恐れる反政府勢力リーダーの出身民族ヌエルが大半だったが、他の少数民族の避難も増えているという。

 「戦闘が激しくなり、夫は殺された」。南部イエイから2月に子ども3人と避難してきたシルク民族のニャヤト・オロックさん(55)は、被弾した左脚を切断せざるを得なかった。避難民登録がまだで食料配給が受けられず、知人らと助け合って生きているという。

 1月にイエイから避難した学生ベティ・エンバさん(17)は、政府軍兵士が自分の教師らを殺害したのを目撃し、兵士によるレイプも多発していると証言した。襲撃を恐れ、女性らは避難後もキャンプの外に出ていない。

 地方からの避難民のほとんどは、12年以降の陸自部隊の派遣自体を知らなかった。撤収を伝えると、エンバさんらは「南スーダンには他の国の支援が今、必要なのに…」と一様に悲しそうな表情を浮かべた。27日、最後まで残った陸自部隊約40人が日本に到着する。【ジュバ共同】

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