■「生徒は市長選より自分の将来」受験期控え主権者教育教諭

 今年の流行語大賞は「神(かみ)ってる」。鳥栖高校出身でプロ野球・広島東洋カープをリーグ制覇に導いた緒方孝市監督(48)の言葉が選ばれました。鳥栖市での優勝祝賀会のあいさつには、年の瀬まで続く反響への喜びがあふれます。

 「広島の街はまだ余韻に浸っている。おまけに流行語大賞までいただいた」

 活躍に心が奪われたのは、警察から感謝状を受けた神埼市のタクシー運転手江崎哲司さん(64)。80代の女性客をスーパーまで送り届ける車中で、携帯電話で話す様子を不審に思って話しかけ、ニセ電話詐欺の被害を防ぎました。

 「愚痴を聞いたり、助言を求められたり。日頃から何気ない会話が楽しみで、それも含めて仕事」

 代わりに電話に出て、問い詰めてあげた末のお手柄。被害を免れた女性にとっては、まさに救いの神。

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 東京の豊洲市場の問題を受け、「盛り土」も流行語に。移転の可否を巡る判断は来年夏に持ち越されましたが、盛り土が崩壊した小城市の有明海沿岸道路芦刈南インターは復旧の見通しさえ立っていません。

 「とにかく安定するまで判断できず、いつになるかは分からない」

 崩壊した部分を取り除いた後に施す新たな盛り土の沈下がいつ収まり、舗装工事ができるのか。佐賀県道路課の職員はじりじり。

 沖縄県沖での米軍オスプレイの大破事故は、同型の自衛隊機の配備計画がある佐賀に波紋を広げました。早朝のニュースで事故を知ったという秀島敏行佐賀市長は表情を曇らせました。

 「有明海に置き換えて想像すると、ぞっとした」

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 フィギュアスケートを題材にしたテレビアニメ「ユーリ!!! on ICE」のおかげで唐津市は、流行語トップテンに入った「聖地巡礼」が身近なものに。

 「おそ松さんと違い、ユーリは実際に唐津に聖地がある。まちの努力次第でどうにでもできる」

 地元でステーキ店を営む「つなぐ会」会長の河上彰範さん(39)は一層の盛り上がりを期待します。

 その唐津では1月、市長選と市議選を迎えます。18歳に選挙権年齢が引き下げられて県内初の地方選ですが、高校で主権者教育を担当している前川博教諭(45)の表情はさえません。

 「3年生はまちの未来よりも自分の将来を決めるので精いっぱい。身近な選挙だけどあまりにも時期が悪すぎる」

 年が明ければ受験シーズン。政治を身近な存在にするための学びは別の機会になりそうです。(年齢、肩書は掲載当時)

=ひと交差点 12月の語録=

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