政府は28日、働き方改革実現会議を開き、改革の実行計画をまとめた。人口が減少する中でも生産性を向上させ、多様で柔軟な働き方が選べる社会づくりが狙い。罰則付きの残業時間の上限規制導入や、正社員と非正規労働者との不合理な差をなくす「同一労働同一賃金」の実現を盛り込んだ。上限規制は初めてで、長年の懸案だった長時間労働や非正規の格差の改善に向け一歩踏み出した。

 企業や働く人の自主的な取り組みに委ねた面も多く、個人消費の拡大や生産性の向上に着実につなげられるかが課題だ。

 安倍晋三首相は会議で「実行計画は関連法案を成立させなければ単なる作文、絵に描いた餅にすぎない。政府の役割は極めて重い」と述べ、法案の早期提出を指示した。

 厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会で改正案をまとめ、年内に国会提出。早ければ2019年4月から順次施行される見通しだ。

 最大の焦点の残業規制は、上限の原則を月45時間、年360時間と明記し特例で繁忙期の上限を設けた。単月で100時間未満、繁忙が2~6カ月続くなら月平均80時間以内、年間で計720時間以内とした。

 一方で、自動車の運転業務や建設業、医師は適用を5年間猶予。運転は5年後から上限を年960時間とし、建設は災害時の仮設住宅の建設など復旧・復興に携わる場合は繁忙期の上限を適用しない。医師の規制内容は2年後をめどに結論を出す。研究開発は規制対象から除外した。

 同一労働同一賃金は、昨年12月にまとめた指針案を盛り込んだ。派遣労働者は派遣先企業との同一賃金を求めるが、就業先が変わって賃金が下がることを避けるため、派遣元企業で十分な処遇が受けられる労使合意があれば例外とした。

 多様な働き方を推進するため、ITを活用して自宅などで働くテレワークや副業・兼業の普及促進を盛り込んだ。【共同】

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