地元の文化誌『草茫々(くさぼうぼう)通信』10号が、障害者と文学をテーマに特集を組んでいる。このうち佐賀県職員の羽根裕之さん(46)がインタビューで、障害児が学ぶ場は特別支援学校か、そのほかの学校のどちらがいいか考察している◆脳性まひで車いすの羽根さんは小学4年から地元の小中学校に通ったが、志望の県立高校には最初受け入れられず、再受験で合格した。当時大きく報道されたことを覚えている。自身は小学校からの友達がいる高校に通えて良かったと振り返る◆「一般校か特殊校かを考える場合、教育内容もだけど、学校生活で将来に備えた体験がどれだけできるかも大きい」とも考えている。障害者もいずれは社会に出ていくことになるからだ◆筆者は取材で聞いた、ダウン症児を小学5、6年で担任した校長先生の話が忘れられない。その子は母親の強い願いで地域の小学校を選んだ。先生は個人の指導と全体の運営に心を砕いたが、「今になると、将来に役立つ技能を身につけさせられなかったのではとの思いが消えない」と語った◆障害者にはそれぞれの道があるが、いろんな選択肢を用意できる社会になってほしい。『草茫々通信』(積文館、紀伊国屋書店で販売)はハンセン病や精神障害なども多角的に取り上げている。障害者を考えることで人間の根源も見えてくる。(章)

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