アニメ映画「君の名は。」の舞台となった東京・四谷で写真を撮影する外国人観光客

■ブーム持続は不透明 東アジア以外の誘客課題 

 今年1~6月の訪日外国人旅行者数が過去最多の1375万7000人となった。韓国人客が300万人を突破したのが主な押し上げ要因で、日本に就航する韓国系の格安航空会社(LCC)の便数増も追い風に。ただ、韓国での日本ブームが持続するかは不透明で、東アジア以外からの誘客が課題となりそうだ。

 国土交通省によると、2017年夏シーズンの日本発着の韓国系LCCは1週間当たり483便で、13年夏の4倍以上となった。韓国観光公社東京支社の申(シン)瑞京(ソギョン)次長は「LCCを使い、短期の個人旅行を手軽に楽しむ若者が増えている」と指摘した。

=食のパラダイス=

 韓国人客の訪問先は、LCCの発着便が多い関西空港のお膝元である関西地方が多く、大阪市中心部でショッピングを楽しんだり、京都や奈良の観光地を見物したりするコースが人気だ。

 また、韓国では漫画が原作のテレビドラマ「孤独のグルメ」が紹介されるなど、日本の食文化への関心も高まり、食べ歩き目的の旅行者も増えているという。頻繁に日本を旅行するという韓国・済州島在住の梁(ヤン)晶任(ジョンイム)さんは「韓国よりも安く食べられるカニが大好き。日本は食のパラダイス」と話した。

 韓国人客は16年に過去最多の約509万人を記録。国・地域別で16年1位だった中国が欧州への旅行者の増加などで伸び悩んでいることもあり、今年上半期はトップに躍り出た。韓国観光公社の鄭(チョン)昌洙(チャンス)社長は「今年は通年で700万人に達するだろう」と予測する。日本政府が20年に訪日客を4千万人に増やす目標を見据え「目標達成時には韓国人客は1千万人になる計算だ」と強調した。

 日韓両政府は今月14日、日韓観光振興協議会を済州島で開き、地方に観光客を誘致するため、地方都市間の航空路線拡大などで合意。日本側は「君の名は。」などアニメの舞台を訪れる「聖地巡礼」や古民家滞在といった体験型観光をアピールした。観光庁幹部は「首都圏や関西だけでなく、定番ではない観光地への集客が重要だ」とする。

 韓国人客増加の要因として、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備を巡る中韓関係の悪化により、中国に向かう観光客が日本に流れているとの見方もある。

=依存はリスク大=

 韓国の人口は約5千万人と、13億人を超す中国より市場規模は小さく、日本の観光業界関係者からは「宿泊日数が短く、消費額も少ない韓国に依存しすぎるのはリスクが大きい」と懸念する声も上がる。

 観光庁は本年度、欧米や東南アジアなど20カ国・地域をプロモーションの重点地域に設定した。田村明比古長官は19日の記者会見で「比較的消費額の大きい旅行者を増やす努力をしたい」と述べ、欧米やオーストラリアなどの富裕層の誘客に力を入れる方針を示した。【共同】

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