厚生労働省は4月から、国民年金の保険料を支払う能力がありながら滞納を続けている加入者への督促を強化する。強制徴収の対象となる所得要件を現行より50万円低い「年間300万円以上」に引き下げる。文書送付や戸別訪問で支払いを促し、従わない場合は財産の差し押さえも実施する。29日の社会保障審議会の部会で提示した。

 厚労省によると、所得が低いことなどを理由に支払いを免除・猶予されている人を除いた2015年度末の保険料納付率は63・4%で、納付率の向上が課題。14~15年度の2年分の滞納者は約206万人に上った。

 収納業務を担う日本年金機構は14年度から強制徴収の対象とする所得や未納期間の基準を設定。16年度は「350万円以上」かつ「滞納7カ月以上」の加入者に督促を実施した。4月からは「300万円以上350万円未満」の人も対象としているが、所得が低いことを考慮し1年間は「滞納13カ月以上」の人に限る。

 督促の文書を送付しても保険料を納めない場合は、電話や戸別訪問での説得、予告などを経て財産の差し押さえなど強制的な処分を実施する。16年4~12月の9カ月間では約9千人が差し押さえ対象となった。【共同】

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