みなさんが読んでいるこのオピニオン面の「ひろば」のコーナーには毎日、多くの投書が寄せられる。掲載する投書は1週間に約50本。その原稿のほとんどに目を通しているが、最近になって増えたと感じるのが政権への不信感を募らせる内容の投書だ。多くが「共謀罪」法成立過程での強引な国会運営や、森友・加計(かけ)学園問題への疑問を挙げており、国政にかかわる説明責任や十分な論議を怠ってきた政権に対する読者の厳しい視線がうかがえる。

 「ひろば 読者の声」欄には、これまでも安倍政権になって「秘密保護法」「安保関連法」など重要法案が強行採決された際に、政治手法の在り方などについて意見が寄せられてきた。特に、今月初めの東京都議選の自民惨敗という結果を受けてからは、地方選の結果でありながら、その要因として国会運営など安倍政権の問題点を指摘する意見が相次いでいる。

 代表的な意見が、都議選の直前に成立した「共謀罪」法をめぐる手法だ。白石町の男性(67)は「“良識の府”といわれる参議院で、『中間報告』という禁じ手で強行採決した与党の責任は重大」とし、「“安倍1強”になってから、数の力で押し切ってきた。今や国会は単なる“通過機関”になってしまっている」と国会運営の在り方に危機感を示した。

 「総理のご意向」「官邸への忖度(そんたく)」が焦点になった森友・加計問題では、伊万里市の男性(65)が、(国会審議について)「『くだらない質問で終わっちゃいましたね、また』と安倍総理の発言がありましたが、これは質問した民進党議員に言っているだけでなく、その背後にいる有権者に言っている言葉」と指摘。都議選の街頭演説で安倍首相が「こんな人たち」と言い放ったことに対する批判の声と同様、有権者の一人として安倍発言への不快感を示した。

 一方で、自民党の現状を不安視する声もある。唐津市厳木町の女性(63)は、「都議選で惨敗しても、自民党内で安倍首相に意見を言ったり、対抗したりする人がいないのでは、結局このまま安倍1強の時代が続いていく」と危惧。伊万里市の男性(62)は「昔の自民党は懐の広い政党であった。かつて派閥政治が非難を受けたが、さまざまな考えを持った人々が互いにバランスを取りながら政策を行い、一部の人間や組織に絶対的な権力を与えることを防ぐ役割を果たした」と指摘する。

 政権への厳しい視線を反映するように、各紙の世論調査で内閣支持率は急落。こうした現状について「そろそろピッチャー交代の時期では?」という佐賀市大和町の男性(75)は、現在の選挙制度にも言及し、「小選挙区制は問題が多い。昔は中選挙区制で賛成、反対と討論され、自民党内で消化できていた」と分析。同様に、「死に票が多い小選挙区は見直すことが必要」(伊万里市、65歳男性)と提起する声も挙がっている。

 国政にかかわる問題が、都議選という地方選での自民惨敗につながった。24日からは安倍首相が出席して衆参両院での予算委員会集中審議が始まる。「おごる政権」という批判を払拭(ふっしょく)するような納得のいく説明がなされるのか。「国策」にかかわる多くの重要課題を抱える佐賀県の有権者も、じっと耳を傾けている。(丸田康循)

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