陶山神社本殿と陶製大鳥居

1958年建立の深川六助翁像

 梅雨曇りの有田町大樽、陶山神社。焼き物の町ならでは、陶祖の神として崇敬を集め、狛犬(こまいぬ)や灯篭、大水瓶や欄干などの珍しい陶芸品が奉納されている有田の名所です。中でも有名な国の登録有形文化財の大鳥居が鎮座する本殿へ向かう石段の麓に、有田陶器市の提唱者・深川六助翁(1872~1923年)の胸像があります。1950年代、白川の有田小学校に勤務していた母は、六助翁のキヨ夫人や胸像の参考となったお孫さんと面識がありました。夫人の故郷・福島県会津から届いた柿の焼酎漬けのお裾分けにもあずかったそうです。

 鍋島紹氏撰の碑銘には「有田町白川生。李参平之碑建設を提唱し、1917年これを完成。政界でも活躍し、有田磁石採掘の百年の大計を造る。年52才」とあります。また、黒髪山の遍路相手に窯元たちが売れ残り品を並べていたのをヒントに、「例年行事となれば意外な発展を遂げるかもしれない」と、現在の100万人以上の観光客でにぎわう有田陶器市の基を築いたと、昨年10月紙面の「400年の群像(10)」に紹介されています。

 まさに有田隆盛へ粉骨砕身の生涯でした。六助翁は今も静かに陶山神社の高台から、有田の町並みを見つめています。

(地域リポーター・中村智子=伊万里市)

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