九州電力が、玄海原発が立地する佐賀県東松浦郡玄海町に現場責任者の所長宿舎や新たな社員寮を建設して町内に住む社員を増やし、事故時の即応態勢を強化することが分かった。玄海1号機の廃炉作業に伴い、廃炉技術を開発する拠点整備にも取り組む。玄海町や佐賀県と調整を進めている。

 岸本英雄町長が3月、玄海3、4号機の再稼働に同意する際、九電に対し事故対応要員の町内居住や地域振興への貢献を要望していた。発電所長は現在、唐津市内に居住しており、町は「事故時の対応が素早くなり、町民の安全につながる」としている。所長宿舎の建設場所は調整中という。

 新社員寮は原発の南東1・5キロ付近にある旧値賀小跡地(1万2392平方メートル)に造る。町は跡地の地権者と協議しており「理解が得られれば九電との話し合いも進む。その時点で議会に説明したい」とする。買収額や建設時期は未定。

 九電の社員寮は既に町内と唐津市の計2カ所にある。居住者数は「防犯とプライバシー保護」を理由に公表していない。

 玄海原発で夜間などに事故が起きた場合、現体制では発電所そばの社員寮宿直室に待機する4人が、国や関係機関に連絡し、玄海町や唐津市にいる社員が駆け付ける。変更後は52人1組の対応班を複数つくり、ローテーションで発電所内に常駐させる。

 1号機の廃炉では、技術開発のほか企画立案、環境監視、地元との連絡体制などを一元的に担う「総合センター」を設置する方向で県と調整。2号機の維持管理との兼務も含め約280人体制を想定し、社員のほか協力会社、地元業者なども入り、廃炉の技術拠点に位置付ける。廃炉は2043年度までの長期計画で、具体的な規模や設置時期などの詳細は今後詰める。

 九電の対策強化に、岸本町長は「地域振興への協力をお願いしてきたが約束を守ってくれてうれしい。町人口が増えることで税収増も見込め、町に活気が出る」と話す。九電は取材に「まだ具体的には決まっていない」としている。

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