■最新の「大腸CTC検査」「PET-CT検査」で早期発見を

 がん治療の研究が進み、がんは治る時代になりました。しかし、いまだに死因の第1位を占め、治るためには早期発見、早期治療、定期的な検診が大事です。「忙しい」「怖い」「痛そう」などの理由で検診を受けない人もいるようですが、PET-CT検査や大腸CTC検査など、体に負担の少ない検査も増えています。がんの最先端検査と、患者を見放さない医療に取り組む福岡病院(佐賀市)の理事長兼院長の福岡英信氏に聞きました。

2人に1人がかかる身近な病気

 一生涯のうち何らかのがんになる確率は男性63%、女性47%。2人に1人がかかるという計算で、誰にでもかかる可能性がある身近な病気です(国立がん研究センターがん対策情報センター調べ)。実は、私たちの体には毎日約3000個のがん細胞ができています。それががん化しないのは免疫細胞ががん細胞を退治してくれているおかげです。しかし35歳を過ぎると免疫力が弱まり、がん細胞が暴走していきます。がんは1センチ以下の大きさで発見することが理想です。小さな状態で見つけることで、体に負担が少ない治療と短い期間で完治を目指すことができます。

PET-CT検査で全身チェック

 がんの初期は痛みなど自覚症状がありません。また、どの臓器や組織が、がんになるか分かりませんから、症状がないうちに全身の検査をすることが重要になってきます。PET-CT検診は心身に負担なく、約2時間で一度に全身のがんをチェックできます。体にブドウ糖に似たFDG(薬剤)を注入すると、がん細胞に取り込まれて光を発します。光をとらえた画像から大きさや形、位置、病変の性質が分かり、6ミリ程度の初期がんも発見できます。脳や早期の胃がんなど苦手な部位もありますから、内視鏡や超音波、MRIを併用して精度を上げていきます。特に早期胃がんだけはわかりづらいですが、胃がんの原因のほとんどがピロリ菌です。ピロリ菌の有無を確認し、陽性だったら除菌しましょう。

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体の外からCT撮影 小さなポリープも発見

 近年の傾向として、女性の大腸がんが増えています。大腸がんは進行が遅く転移も少ないので、早期に発見すれば怖いがんではありません。ただ、大腸がんの内視鏡検査は「はずかしい」「痛い」といったネガティブなイメージが強く、なかなか検診に足が向かないのが現状です。当院では「大腸CTC検査」で内視鏡を使わず15分程度で検査ができます。3次元画像で大腸のひだに隠れた小さなポリープや形成異常も発見が可能です。体の「車検」と考えて、年に1回の検査をおすすめします。

 PET-CT検査も大腸CTC検査も画像を読み解く力が、小さながんの発見につながります。当院では検査前に十分な問診を行って、特にどこに注意して検査すればいいのかを説明します。また、画像診断では院外の読影の専門家とチームを組み、より多くの目で早期発見に努めています。また、乳がん検診をはじめ、院内で子宮がん検診も始めました。さらに、がんをはじめ、さまざまな痛みの緩和に対応するため4月から「漢方・緩和ケア相談外来」もスタートし、鍼(はり)治療も合わせケアにも力を入れます。

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骨粗しょう症に有効な治療薬

 骨粗しょう症は骨がスカスカになったり、もろくなったりする病気です。閉経後の女性に多く、ちょっとした衝撃で骨折することが多いのが特徴です。約7割の人が骨折しても痛みがなく気が付かなかったといいます。高齢者の骨折は寝たきりの原因になりますから、骨粗しょう症予備軍の40歳ぐらいから骨密度検査をおすすめします。当院の「骨粗鬆症外来」では「DXA(デキサ)法」で全身を正確に検査します。検査時間は5分ほど。最近は骨の形成を促したり、破骨を防いだり、骨粗しょう症の改善に大変有効な治療薬が登場しました。患者さんの状態に合った薬を選んで治療していきます。がんも骨粗しょう症も定期的な検診で、早期発見、早期治療を心がけましょう。「いさぎよい」は「もったいない」時代です。

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婦人科(子宮頸がん)検診を始めました。

■婦人科(子宮頸がん)検診 ※予約が必要です。

 水曜日 14:30~16:30(祝日はのぞく)

 金曜日 10:00~12:00(祝日はのぞく)

 4月から漢方・緩和ケア相談外来 始まります。

■火曜日 9:00~13:00(祝日はのぞく)

ドクター紹介

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医療法人 福翔会

福岡病院 理事長 兼 院長

福岡 英信

ふくおか ひでのぶ 日本核医学会・内科医学会・抗加齢医学会・腫瘍学会・放射線腫瘍学会所属。PET核医学認定医。

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