家屋周囲の土砂を運び出す「チーム武雄」のボランティア=福岡県朝倉市杷木の白木地区

 九州北部を襲った豪雨で土砂災害に見舞われた福岡県朝倉市杷木の白木地区に23日、初の市民ボランティアが入った。発生から20日近くたっても家屋や畑に流れ込んだままの大量の土砂。武雄市が募ったボランティアチームの参加者は災害の爪痕を肌で感じながら、復旧を目指す被災者の思いに心を寄せ、懸命に土砂をかき出した。

 朝倉市杷木の白木地区。29世帯85人が暮らしていた山あいに、「チーム武雄」として20~60代の男女10人と随行市職員2人が入った。石井博喜区長(70)は「これまで家につながる道路がふさがっていて、ボランティアが地区内に入るのは初めて。地元の人だけでは作業が大変なのでありがたい」と歓迎した。

 梅雨明けし猛暑が続く。ボランティアは二手に分かれ、15~20分おきに休憩を入れながら作業を進めた。熊本地震でもボランティアをした高校の非常勤講師、副島一春さん(62)=北方町=は「ものすごい土砂量。災害時は心細い思いをしただろう」と思いやった。「やれることは限られるかもしれないけど、手助けできる部分はある」と道具を手に取った。

 農家の高倉久人さん(67)の家では、力を合わせて埋もれた農業用機械を外に運び出した。柿の木が一部流され、ブドウ畑には土砂が侵入した高倉さん。「ブドウはもうすぐ収穫時期だったが、採れるかどうか。また雨や台風が来たら、どうなるか検討がつかん」

 JAさが職員の早田淳也さん(33)=東川登町=は農業への影響を心配しながら、つぶやいた。「地元の人たちは明日もその後も被害と向き合わないといけない。新たに災害が起きたらそちらに目がいきがちだけど、風化させないことが大事」。周囲に経験を伝え、募金など支援の輪が広がればと考えている。

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