詰め掛けた来場客に自作を解説する池田学さん(右)=佐賀市の県立美術館

 佐賀市の県立美術館で開催中の「池田学展 The Pen-凝縮の宇宙-」(佐賀新聞社など主催)で28日、池田さんが日本初公開の新作「誕生」など出展作を解説した。展示室を埋め尽くした来場客を前に、創作秘話や作品に込めた思いを語った。

 日本の城を題材に、文明や自然が興っては滅びる世界を描いた「興亡史」(2006年)について、趣味のロッククライミングから着想を得たと紹介。制作中に世界や身の回りで起きた出来事も描き、「1年半をかけて積み木を積んでいくように作り上げた」と振り返った。

 自然災害を乗り越えて再生する文明を描いた大作「誕生」を巡っては、「震災を再現することで一体誰が喜ぶのだろうか」と悩んだ胸の内を明かした。スキーで右手を負傷しながら、左手も使って約3年かけて完成させた労作で「震災を経て誕生した新たな時代、生まれ変わった自分の体など、さまざまな意味をタイトルに込めた」と述べた。

 佐賀市の会社員芦刈信之さん(59)は「作品から感じられるメッセージ性や強い意志がトークからも伝わってきた」と話していた。

 池田さんのトークは2月12日にも午後2時から行う。展覧会は3月20日まで。

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