準天頂衛星「みちびき2号機」=4月、茨城県つくば市のJAXA筑波宇宙センター

 カーナビやスマートフォンなどに使われている衛星利用測位システム(GPS)の精度を向上させる政府の準天頂衛星「みちびき2号機」が6月1日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる。政府は今年2~4号機を相次ぎ打ち上げ、2018年度から4基体制による誤差の小さな位置情報を提供する。

 高精度な位置データは車の自動運転や農業の効率化など、さまざまな分野で応用が期待されている。衛星を運用する内閣府は「多様な産業に革新をもたらし、新産業創出に役立つ」としている。現在地上の位置の計測に利用している米国のGPS衛星やみちびき初号機だけでは、高層ビルや山間部で衛星からの電波が遮られたり、日本の真上にある衛星が少なくて誤差が数メートルになったりすることがある。

 そこで、2号機と4号機は、初号機と同じく地上から8の字に見える「準天頂」軌道に投入。3基が8時間ずつ24時間、日本上空にとどまるため、みちびきに対応した受信機能を持つ機器では、GPSと合わせて誤差1メートルまで精度が上がる。さらに特殊な機器では誤差は6センチに向上する。

 こうした精密な位置情報は、対向車とすれ違ったり車線を変更したりする自動運転技術には不可欠だ。トラクターの無人走行や重機の正確な作業など農業や土木への活用、子どもや高齢者の居場所確認、スポーツの戦術分析に役立つとされる。

 3号機は静止軌道に投入し、災害時の被災者の安否確認や、避難所の開設情報などの提供も担う。2~4号機の開発と製造費は計約900億円。

 みちびきの主な狙いは、米国に頼っている地上の位置計測の仕組みを日本だけで構築することで、23年度から運用を始める方針。【共同】

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