定年を迎えるラタナーヤカ教授。教育の国際化に尽力してきた=佐賀市の佐賀大学本庄キャンパス

 佐賀大学経済学部のラタナーヤカ・ピヤダーサ教授(65)が本年度末で定年退職する。スリランカ出身で、同大学で約30年にわたってアジアの経済発展について研究。300人近くの学生を海外に派遣するなど、教育の国際化に尽力した。4月からは客員研究員として研究を続ける。

 母国で国家公務員となり、高校時代から関心を持っていた日本に留学。東京大学と龍谷大学(京都府)の大学院で経済学を学んだ。1989年、講師として佐賀大学に赴任したが、「アジアについては何も教えていなかった」といい、佐賀の地で地道な取り組みが始まった。

 大学にはアジアに関する文献がなく、県外まで足を延ばしてかき集めた。ネットワークを築いた海外の研究者のもとに佐賀大学の学生を派遣する事業を始め、研究者や公務員として世界で活躍する人材を育てた。海外からの留学生も増え、大学の国際化が進んだ。

 近年、アジア諸国の経済成長は著しいが、国家間の緊張の高まりも問題になってきた。ラタナーヤカ教授は「アジアについて学ぶ人材を増やしていけば、将来は欧州のように一体となって発展できるはず」。人材交流の重要性はますます高まると感じている。

 佐賀市に暮らし、自治会活動にも積極的に関わる。「スリランカと似て農業が盛んで、静かに生活できる。地域の人も優しい」と愛着を感じている。今後は研究を続けながら、地域のボランティア活動にも参加するつもりだ。

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