2015年度のスマイル学習の小学校別実施率

 武雄市のICT教育について、東洋大の研究プロジェクトが第3次検証報告をまとめた。武雄式の反転授業「スマイル学習」は実施率が低く学校間でもばらつきがあることを指摘し、学習効果の検証と教職員の負担軽減などによる実施率改善を求めた。

■教職員調査 効果への認識に差

 検証報告によると、2014年度から3年間(16年度は4~7月)のスマイル学習の実施率は、小学校算数63%→51%→41%、理科65%→42%→35%で、いずれも3年連続で低下。15年度開始の中学校は数学34%→44%、理科15%→20%で2科目とも改善したが、率は低迷している。

 小学校11校の学校別実施率は、2科目とも8割程度が2校、3割以下が3校とばらつきが目立った。実施率が高い学校の児童は「算数の勉強が楽しい」「話し合うことで考えを深め広げることができている」という比率が50%超で、低い学校を20ポイント程度上回った。

 教職員調査では小学校の58%が「スマイル学習を減らしたい」と回答した。理由に「負担を減らしたい」(38%)「他の指導法を用いたい」(25%)「効果が今ひとつ」(13%)を挙げた。東洋大は背景を「効果への認識に差がある」と分析し、「スマイル学習に対して消極的で、葛藤を抱えている可能性がある」と危惧した。

 スマイル学習の実施の有無でテスト結果を比較する調査も小4の算数で実施した。「明確とまでは言えない」という差ながらも「知識・技能、思考力や表現力などにプラス効果があると推論できる」と評価した。

 提言として(1)スマイル学習の効果を検証し、適した単元や授業時間を検討する組織を設ける(2)動画をインストールする手間が軽減される機種導入の促進(3)実施率が低いクラスと原因を把握し、個別対応を取る-ことなどを挙げた。

 2小学校の3年生までで取り組んでいるプログラミング教育は「先駆的な取り組み」と評した。民間のサポートを受けずにできる限り市の教職員で対応できる体制をつくって実施校を増やし、小4以降でも中学校を含めた一貫体制づくりを進めることを提言した。

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