神埼郡吉野ケ里町議会(伊東健吾議長、12人)は30日、臨時会で提案された2017年度一般会計補正予算案を賛成少数で否決した。町有地に建てられた倉庫を「不法建築物」として撤去する事業を巡り、議会から批判が相次いだ。採決の結果は賛成1、反対9。撤去事業が滞る異例の事態に執行部は困惑している。

 予算案の否決は06年の合併後初めて。問題の土地は、町から借りていた住民が14年前、契約に違反して倉庫を建てた。町は撤去を求めたが、住民は「町は譲ると言っていた」などと応じなかったため、15年6月に建物の収去・土地明け渡し手数料320万円を予算化。1年後に佐賀地裁に建物収去命令を申し立てた。

 今年3月21日に認められたものの、実際の撤去作業は新年度に入るため、町は急きょ新年度の補正で同額を再度予算案を作り、議会に提案した。

 議員側は3月議会で状況説明がなかったことや対応を批判、別の事業でも議員側に十分に説明されていない経緯があり、町長の責任を問う声が上がった。

 否決を受け、多良正裕町長は「理解していただきたかったが、争点がかみ合わなかった。対応は今後考えたい」と述べた。

 地裁は命令後、通常は2週間の猶予期間を経て強制撤去に入るが、町が予算を準備できておらず、現況が続くことになる。

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