政府が、働き方改革実現会議で議論する残業時間の上限について、年間で月平均60時間とし、繁忙期は月100時間まで認める方向で調整に入ったことが28日、関係者への取材で分かった。短期間とはいえ、過労死ラインとされる月80時間を超える残業を認めることになり、野党や労働者側から反発が出るのは必至だ。

 政府が2月14日の実現会議に案を示し、3月に実行計画をまとめる見通し。これに基づき労働基準法改正案を国会に提出する方針。

 労基法は労働時間を1日8時間、週40時間までと規定。企業が労働者に残業させる場合は、労使協定(三六協定)を結び、上限時間を定めるよう求めている。厚生労働省は月45時間との上限を告示しているが、特別条項を結べば、年6回まで、上限を超え、労使で定めた延長時間まで残業させることも可能となる。

 政府は、これまで規制がなかった特別条項の延長時間に上限を設けることを検討してきた。関係者によると、政府案は、特別条項の対象となる特に繁忙な時期に関して(1)月100時間まで(2)2カ月で月平均80時間-などの新たな残業時間の上限を設け、前後で調整することで、年間の上限(年720時間、月平均60時間)を超えさせないようにさせる。

 適用対象外となる業種を現状から絞り込む案も浮上しているが、企業の競争力維持の観点から、研究開発職などは対象外とすることで調整を進める。【共同】

=ズーム 過労死ライン=

 ■過労死ライン 厚生労働省の脳・心臓疾患に関する労災認定基準は、発症前1カ月におおむね100時間、または2~6カ月にわたり1カ月当たりおおむね80時間超の残業があったことを目安の一つとしている。ただ、認定基準は「(厚労省が残業上限と告示する)月45時間を超え、残業時間が長くなるほど、業務と発症の関連性が徐々に強まる」とも規定しており、80時間を下回る残業時間でも、過労死と認定される場合もある。

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