川内原発の重大事故を想定した防災訓練で、避難する住民=28日、鹿児島県薩摩川内市

九州電力川内原発での重大事故を想定した防災訓練で、災害対策本部の会議に出席する三反園訓知事(左)=28日午前、鹿児島県庁

 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)で重大事故が発生したことを想定し鹿児島県と周辺自治体は28日、防災訓練を実施した。2016年7月に脱原発を掲げる三反園訓(みたぞのさとし)知事が就任して以降、原発事故を想定した防災訓練は初めて。

 山間部に住む高齢者らの避難支援や、地震などで家屋が倒壊した被災者をどう別の安全な建物内で屋内退避してもらうかなどに関し、関係者で手順を共有するのが狙い。

 川内原発から約1キロ離れた場所にある薩摩川内市の福祉施設では午前8時半ごろ、九電の福祉車両で、車いすに乗った高齢の入所者を施設職員らが付き添い避難させる訓練が行われた。県庁には災害対策本部が設置され、三反園知事が県幹部や九電の担当者から状況について報告を受けた。

 屋内退避の訓練を体験した薩摩川内市の民生委員、香山由美子さん(69)は「自力で避難できない高齢者も多いので、地域住民で手を貸せる関係をつくりたい。ただ地震に加えて原発事故も起きれば、自分や家族だけでも早く逃げたいと思うかもしれない」と複雑な心境を吐露した。

 九電や自衛隊といった関係機関が参加したほか、16年12月に設置された原発の安全性を検証する専門家委員会のメンバーも視察。三反園知事は、今回の訓練で課題が見つかれば避難計画を修正する考えを示している。【共同】

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