安倍晋三首相は11日の記者会見で、総合的な経済対策に関して、地方活性化に向けて港湾や食料の輸出拠点といった観光、農業のインフラを整備することや、防災関連の公共事業が柱となると表明した。国が民間に資金を貸し出す「財政投融資」を増やし、融資などを加えた対策の事業規模は10兆円超とする方向だ。裏付けとなる2016年度第2次補正予算案を編成し、財源不足を補うため4年ぶりに国債の追加発行も検討する。

 首相は会見後、麻生太郎財務相と官邸で会い、対策の内容や今後の進め方を協議した。12日に石原伸晃経済再生担当相ら関係閣僚に対策策定を指示し、月内にも取りまとめることを目指す。補正予算案は秋の臨時国会に提出する方針だ。

 首相は会見で「未来の成長の種に大胆に投資する。主役は地方、目指すのは世界だ」と述べた。大型クルーズ船に対応する港湾など訪日観光客を受け入れる施設の抜本増強に加え、環太平洋連携協定(TPP)を見据えた農林水産物・食品の輸出基地の全国展開も表明した。

 熊本地震からの復興加速や、災害に強いインフラ整備にも取り組む。首相は「成長の果実を子育て支援などの分配政策に大胆に投入する」とし、保育、介護の受け皿整備や無利子奨学金の拡充を推進するとした。

 対策の財源は、15年度の国の決算剰余金約2500億円や、低金利で国債の利払い費が軽減される分を充てるが、不足が生じる。赤字国債の発行は避ける方針で、公共事業や箱もの施設に活用する建設国債の追加発行を検討する。実際に国債発行額を増やせば12年度補正予算以来となる。

 首相は、マイナス金利政策の効果で資金調達コストが下がった財政投融資を使い、リニア中央新幹線の大阪延伸を従来計画の45年から最大8年前倒しすることや、整備新幹線の建設加速を正式表明した。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加