業務上過失致死罪に問われた5人のうち3人に無罪が言い渡された佐賀地裁判決。公判では、地元団体と市とで責任の所在を巡って見解が分かれ、痛ましい事故を真摯(しんし)に教訓化できるか、複雑な様相も見せた。

 「計画立案は市が行い、キャンプ中も市のペースで進んでいた」。地元団体側の弁護人は初公判でこう強調したが、判決では団体が実質的な主催者とされ、幹部だった幸松傳司被告が企画を主導したとされた。

 「裁判所のシビアな見立てで、行動を共にした幸松さんと大きな違いが出た。複雑な気持ち」。当時の団体代表で、無罪になった鴨川幸司被告は会見でこう述べ、「市と一緒に活動している組織はどう思うんだろうか」と市の姿勢に疑問を呈し、官民共同の地域おこしへの影響を懸念した。

 伊万里グリーン・ツーリズム推進協議会は事故を受けて2011年3月、安全管理マニュアルを策定し、ツアー計画段階での事故防止の協議の徹底や事故発生時の対応を明記。事故が起きた7月24日を「農山漁村体験活動安全の日」として、会員を対象に講習会を開いているという。

 判決を受けて「市職員が関係したイベント等において、このような事故が二度と発生しないよう注意を促していきたい」という塚部芳和市長の談話を出した伊万里市。鷲尾光四朗君の父親は、関係者に問い掛けるように「判決を聞いて複雑な気持ちはあるが、被告らの道義的責任は皆同じだと思う。遺族の喪失感は一生拭えないことに変わりはない」とコメントした。

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