伊万里市で2010年、市などでつくる伊万里グリーン・ツーリズム推進協議会が主催したキャンプに参加した小学3年の男児が川で溺死した事故を巡り、業務上過失致死罪に問われた5人の判決で、佐賀地裁は29日、当時の市観光課長池田博志被告(62)ら3人に「キャンプを主導する立場にあったとはいえない」として無罪を言い渡した。

 一方、溺れるのを防止する注意義務があったなどとして、協議会幹事長で地元団体幹部幸松傳司被告(64)は罰金70万円、市観光課職員多賀桜被告(48)=肩書はいずれも当時=は罰金40万円とした。

 ほかに無罪になったのは市観光課副課長だった桑本成司被告(56)と、協議会副会長で地元団体代表だった鴨川幸司被告(60)。求刑は市側3人がいずれも罰金80万円、団体側2人が100万円だった。

 判決理由で吉井広幸裁判長は、安全措置を講じた実施計画を策定してないなど、検察側が主張していた準備段階における5人の過失を退け、事故当日の過失に焦点を絞った。成人スタッフ全員で川遊びの監視に当たる予定だったが、幸松被告が変更して一部のスタッフに男児たちだけを先に行かせるように指示し、多賀被告がスタッフに対して監視態勢を整える指示を怠ったなどと指摘した。

 弁護人によると、幸松被告は「事実誤認で承服できない」と控訴する意向を示し、多賀被告は「控訴するかどうか検討したい」と話している。佐賀地検の大山輝幸次席検事は「判決文を詳細に検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。

 事故は10年7月24日、伊万里市の志佐川で発生し、伊万里小3年の鷲尾光四朗君=当時(8)=が遊んでいる最中に溺れ、搬送先の病院で3日後に死亡した。遺族側は協議会に損害賠償を求め佐賀地裁で係争中。

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