出勤せず自宅や外出先で働く「テレワーク」など多様な働き方が広がってきた。トヨタ自動車をはじめとした大企業が新制度を導入し、仕事をする場所はどこでもOKとする企業も。一層の普及には、誰もが気兼ねなく取得できるよう企業の風土を変えていく必要がありそうだ。

 連絡がつけば好きな場所で働ける「どこでもオフィス」という制度を2014年に始めたのは、IT大手ヤフー。全社員にiPhone(アイフォーン)とパソコンを貸し、オフィスと同様の通信環境を提供した。「日常から離れて新しいアイデアを生み出してもらうため」(広報担当者)で、現在は月5回利用できる。16年度には社員の8割が利用し「通勤の疲労から解放された」との声が上がる。

 三井物産は16年6月、パソコンを社外に持ち出して仕事をする「モバイルワーク制度」を導入。広報担当者は「社員は自宅に帰って育児をし、落ち着いてからやり残した仕事ができる」と話す。

 トヨタは16年10月、在宅勤務制度を拡充。一定の勤続年数を経た事務職や技術職が対象で、週に1日2時間だけ出社すれば、それ以外の時間は自宅で働けるようにした。

 中小企業に先進事例も。社員25人のソフトウエア開発会社クエスト・コンピュータ(東京)は「テレワーク社宅」を導入した。社員向けにマンションを社宅として購入し代わりに1室をオフィスとして活用。賃料は社員に負担してもらう。都心のオフィス賃貸料削減や社員定着につなげる。

 ただ、総務省によるとテレワークを導入したのは従業員100人以上の企業のうち13・3%と少数派だ。リクルートワークス研究所の萩原牧子主任研究員は「企業は、育児や介護をしている人だけでなく誰でもテレワークを活用できる状態にしておくことが重要だ」と課題を指摘している。【共同】

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