「team.遊悠融」代表 馬場 佐希子

■1票の大切さ伝える役割、子育て応援取材に期待 

 「結果だけでなく選挙風景にさまざまな『化学反応』を期待したい」「新聞が選挙報道に力を入れるのは、第一は投票してもらうことにある。無関心層に、どうアピールし、投票行動に結び付けていくか」。19日付1面に編集局長の思いが掲載された。

 読者は、自分の1票を大切にできただろうか。

 「はじめの1票 18歳選挙権さが」では、未成年の有権者の学びや思いを積極的に伝えていた。

 主権者教育に取り組む高校の現場の取材では、授業時間の確保が難しく手探り状態であることが記事から伝わった。

 民主主義や主権者教育について伝えた記事では、先進校や若者の政治参加に取り組む団体の実践や思いが紹介された。

 「完全に理解できなくてもかまわない。意見を重ねることで自分の考えが浮かんでくればいい」「学校の生徒会活動に自主性を持たせ、『自分ごと』として物事を判断し、選択できるように」。

 学校だけでなく家庭や地域の中で、子どもの年齢に応じた学びや経験の場をつくる大切さを伝えたことはよかった。

 「焦点 自民党改憲草案」は、現行憲法との違いやそれぞれの思いがわかりやすく整理されていた。一方、3分の2議席確保と国民投票制度についてわかりやすく伝えられていないように感じた。国民投票では有権者の責任ある行動が求められる。1票を大切にするための新聞の役割は大きい。

 ところで、小学2年の子どもをしつけのために置き去りにした事件が北海道であった。子どもが無事に保護されてほっとしたが、父親の姿が子育て世代の困りを伝えているように見えた。「しつけ」と「虐待」。そして「世間体」。実際、困りを抱えたまま頑張っている保護者は少なくない。

 「体罰、六つの問題」(29日付)は、知識としては面白いかもしれないが、しつけに悩み、虐待と思われないよう世間の目を気にしている保護者への応援を考えるともう少し違う切り口があったのではないかと思った。事件の父親は、怒りをぶつけたのではなく、親の威厳を示さなければと考えての行動だった。事件の背景に、「子どものしかり方の困り」「虐待していると思われるかもしれない不安」を感じている。

 助言に、「『私』を主語に話してみる。思いを率直に伝える」とあった。このことは、子育てだけでなく、投票行動にも関係しているだろう。

 主権者教育も子育ても、深い考察力と自分の考えを伝える力を育むことが求められる。

 大学生が18歳は大人と思う理由に「だいたい自分のことは自分で決められる」とあった。子どもの育ちの中に「自分で決める」「表現する」場面を創りだすことも大切だ。

 新聞は、子どもや子育て中の人と、どのように向き合い、応援していくのだろう? 今後の特集や取材に期待したい。=6月分=(ばば・さきこ、鳥栖市)

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