瀬戸順子さん

■子どもの存在、復興支える

 熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県益城町にある飯野小学校に、佐賀県教育委員会から派遣された。復旧と通常の授業を同時に進める多忙を極めた現場で、昨年7月から3月まで先生たちのサポートをした。

 「赴任した当初、子どもたちは意外に元気な半面、ストレスや不安を抱えて落ち着きがなかった。集会とか、人の集まる場ではいつまでもがやがやしていたけれど、今は静かに話を聞けるようになっています」

 学校の敷地には仮設住宅が並び、教室のいすには防災ずきんが掛かっている。子どもたちはそんな「非日常」の光景の中で、少しずつ日常を取り戻しつつあるが、気を抜かずに見守る必要があるという。

 「専門家の話では、被災地の人はまだ心身が過剰に緊張している状態。それが緩んでくると、事故や犯罪の増加、家庭の不和になって表れるそうです。子どもたちをさまざまな不安から守るため、『どうしたの?』『大丈夫だよ』と声を掛け続けることが大切です」

 被災地の子どもたちに教えられることも多かった。

 「一生懸命な姿に大人が励まされる場面に何度も出合った。子どもは守られるだけでなく、地域を元気にする存在、『宝』なんです。頭では分かっていたけれど、心からそう思うことができました」

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