■「リストラ手段」労働者側は反発

 労働者が不当解雇された場合に職場復帰ではなく、金銭支払いで解決する制度に関し、厚生労働省の有識者検討会は29日、制度の必要性について「労働者救済の選択肢を確保する観点から一定程度認められる」として、厚労相の諮問機関である労働政策審議会で議論するように提言する報告書を取りまとめた。

 労働関係の法改正には労使と有識者の3者で構成する労政審の議論が必要で、制度化に向けて一歩進んだ形。労政審は年内にも開かれ、法律的な課題などを検討する見通しだ。ただ、労働者側は「リストラの手段として使われかねない」と反発しており、議論は紛糾することが予想される。

 報告書は、不当に解雇された労働者が復職ではなく、金銭支払いによる解決を求め、裁判所が違法解雇と認定した上で支払いを命じる仕組みを推す内容。労働者と会社双方が事前に金銭的な予測を立てることができるよう、会社が支払う解決金に上限や下限を設けることが「適当」とした。

 会社側による申し立ては不当な解雇や退職勧奨が乱発され「モラルハザード(倫理観の欠如)を招く」として、今後の検討課題とした。労働局によるあっせんなど、現行の労働紛争解決システムに影響するといった反対意見も盛り込まれた。

 29日の検討会では、連合の村上陽子・総合労働局長が「制度導入ありきの議論をすべきではない。制度は課題が山積している」と訴えた。【共同】

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