■忘れずにいてくれてありがたい 松梅校と交流する福島の自治会長

 3月は別れや門出の季節。伊万里市では、統廃合される波多津東小で最後の卒業式が行われました。

 「悲しいけど、新しい歴史が始まる喜びもある」

 最後に巣立った5人は、校名が波多津小に変わっても残る学びやの新たな歩みに期待を寄せます。

 佐賀市の総合看護学院の卒業式では看護学科の坂口由佳さん(21)が、がんの告知を受けた患者と出会った実習を振り返ります。

 「実習生ながら、私の関わりが患者さんにとって意味をなしていたことを知り、涙が止まらなかった」

 検査中にかけた言葉を相手は覚えていて心の糧にしていたようです。「贈る言葉」は門出に限らず、さまざまな場面で生まれているのだと気づかされます。

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 東日本大震災から6年。佐賀市大和町の小中一貫校松梅校は、福島県二本松市の仮設住宅で暮らす高齢者に手紙や名産の干し柿を送る活動を続けてきました。仮設住宅の瀬賀範眞自治会長(67)は感慨深げです。

 「忘れずにいてくれてありがたい。本当に立派な生徒たちだと感心している」

 発生から間もなく1年になる熊本地震の被災地では、佐賀農業高校食品科学科の2年生がボランティアでケーキカフェを開き、農作業に汗を流しました。

 「正直、復興に向けて直接関われたという感覚はない。でも、現地の状況を知ることができてよかった。今後も間接的にでも、できる支援をしていきたい」

 梶原光さん(17)の言葉に、活動を仲介したNPOの吉村孫徳(まごのり)事務局長は、うなずいていた様子です。

 「大いに力になってもらったが、現状を見てもらうことが最大の目的。知ってもらうことで(復興への)一体感が出て、われわれも元気になれる。一番しんどいのは忘れられること」

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 玄海原発3、4号機の再稼働問題を巡っては、山口祥義知事が臨時県議会の招集を表明しました。

 「一定の整理ができた。県議会の意見は重く、あまり間を置かずに聴きたいと考えた」

 県民説明会、広く意見を聴く委員会、県内20市町の首長会合…。賛否が渦巻いたまま、県議会側では意思表示の在り方や時期を巡って調整が続いています。

 再稼働に向けた動きは、福島第1原発事故の被災地にどう映るのか。帰還した住民が2割に届かない福島県楢葉町の係長、酒主秀寛さんは語り掛けます。

 「正直、原発事故が起こるなんて本気で思っていなかった。佐賀の人たちも福島を遠目に見ながら実感できないのかもしれない。しかし、どのような判断をするにせよ、事故は起こり得るという前提で、全力で備えておいた方がいい」(肩書、年齢などは掲載当時)

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