規格外品の梨を使い、加工品開発に取り組んできた伊万里梨プロジェクトのメンバーたち。今夏から本格的に商品化・販売に着手する=伊万里市のJA伊万里本所

■規格外活用本格販売へ

 伊万里梨の規格外品を使った加工品を農商工連携で開発する「伊万里梨プロジェクト」が成果を上げている。乾燥チップやフルーツソースのほか、ドレッシングやぽん酢、焼肉のたれ、ステーキソースと、梨の甘みやさっぱりした味わいを生かした商品を続々と生み出しており、今夏から本格的に商品化・販売に着手する。

 伊万里梨はJA伊万里が登録する地域ブランド。管内では、年間生産量の約1割にあたる400トン程度が、傷が入ったり、高温障害の影響などで廃棄されているという。

 こうした中、プロジェクトでは、生産者から提供を受けた規格外品を、伊万里青果市場や選果場などJA伊万里の関連施設で1次加工。芯を取った果実や果汁を用い、宮島醤油(唐津市)などが製品として2次加工している。

 小ネギ加工のノウハウと独自の販売ルートを持つ地元の伊万里グリーンファーム(前田清浩社長)は、乾燥チップの製造と販売支援を担当。商品開発のアイデアづくりには伊万里商工会議所や伊万里農林高なども加わっている。

 昨年夏から試作品の製造を繰り返し、商品化を検討。さが農商工連携応援基金事業の補助を活用し、生産者、加工業者は日本政策金融公庫の融資を受けて事業費を調達した。今年2月に首都圏で開かれた見本市で試験販売し、好感触を得たという。

 30日にJA伊万里本所であった検討会には、JAや加工業者、県地域産業支援センターの担当者らプロジェクトメンバー13人が出席。すでに業者から引き合いがある乾燥チップやコンポート(シロップ煮)の生産・販売計画が報告された。

 メンバーからは「パッケージや容器のデザインを改良する必要がある」「搾汁したときに出るペースト状の繊維質も他の加工品に使いたい」といった意見やアイデアが出された。

 JA伊万里の岩永康則組合長は「産地が一丸となって、ここまで進んでこれたのは大きな収穫。農家の生産意欲につなげたい」と前を向く。伊万里グリーンファームの前田社長は「やるからには売れるものにしていかないといけない。商品内容を洗練させるため、もうひと踏ん張りが必要になる」と話した。

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