基山の山頂で日の出を楽しんだ参加者たち=基山町の基山

梅で有名な町内の民家で、着物を着て写真撮影する参加者たち=基山町

仏の絵を薄い紙に透けさせ、なぞって描き写す「写仏」を体験する参加者=基山町

自転車にまたがり、出発の準備をする参加者たち=基山町の基山駅前

 外国人旅行者を呼び込み、町の活性化につなげようと基山町の若手事業者たちがグリーンツーリズムの構想を練っている。3月には1泊2日の日程で第1回となるモニターツアーを実施し、町内を自転車で巡った。近い将来の商業化に向け、旅行者の受け入れ体制確立を目指している。

 ツアーには外国人6人が参加。基山駅を自転車で出発し、酒蔵見学や中山間地の民家での家庭料理づくり、着物の着付けなどで地元住民と交流した。基山(きざん)の麓にある二階寺では座禅や写仏を体験、2日目の早朝は基山へ登って山頂からの朝日を楽しんだ。ツアーガイドは町内の若手事業者や役場職員らが務めた。

 一行は締めくくりに、基山駅前にある「基山フューチャーセンターラボ」の一区画で2日間のツアーを振り返った。スクリーンに1泊2日の旅程風景が映し出され、参加した6人は写真を見ながら「山々と古い家屋が同居する景色が良かった」「図書館は魅力的なので、ぜひ英訳のパンフレットを作って」と意見や要望を出し合った。

 ドイツからインターンシップで来日しているラング・トビアスさん(19)=福岡県糸島市=は「体を動かすものとリラックスできるもの、両方のアクティビティーがあってバランスが良かった。みんなと大部屋で一緒に寝たのも新鮮。福岡から近く、すごく良い立地だと思う」と堪能した様子だった。

 モニターツアーは県の観光の担い手育成支援事業の一環として実施した。この1年間、地域の観光に関する企画、運営を一体的に取り組む組織(DMO、デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)運営のノウハウを学び、計画を練り上げてきた。

 九州地域のグリーンツーリズムなど、観光・地域づくりの推進事業に取り組んでいる一般社団法人「九州のムラ」の代表理事で、プロジェクトを支援している養父信夫さん(54)は「自転車で巡るのにすごく適したサイズ感の町。大興善寺など、寺の文化を体験できるのも良い」と評価する。

 プラン作成からツアーガイドまで携わった自営業の天野啓介さん(36)=同町=は「『旅はモノよりも経験』という参加者の言葉に、自信を持てた。基山の暮らしやここに住む人々との出会いをアピールしていきたい」と手応えを感じた様子だった。基山町出身で県観光課の古賀裕士さん(38)は「有名観光地でなくても、基山の歴史と文化で十分対応できることが分かった。観光産業として確立させるため、世界に商品を発信していきたい」と意気込む。

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