九州電力は30日、4月に復活させる「原子力発電本部」の本部長に、発電本部副本部長の中村明常務執行役員(65)を起用する役員人事を発表した。中村常務は2011年に発覚した「やらせメール」の調査過程で、玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)のプルサーマル発電導入に関する資料を破棄するよう部下に指示したことが判明、減給処分を受けている。問題を追及してきた佐賀県議や市民団体からは「企業体質が何も変わっていない」と反発の声が上がった。

 瓜生道明社長は中村常務の委嘱について「やらせメールで厳しい処分も受けたが、設備、運用のプロで、余人をもって代え難い」と説明した。福島第1原発事故以降、原発には厳しい視線が向けられているが、新規制基準の審査対応など中村常務の仕事ぶりを挙げ、「責任を持って任せられる存在」と強調した。

 旧原子力発電本部を巡っては、玄海原発再稼働に関する11年6月の国主催説明番組で、賛成のメール投稿を社員に呼び掛けるやらせメール問題が発覚。7~8月に中村氏の指示後、佐賀県幹部や県議らとの会談内容が記された文書を含むファイル数冊の一部が破棄された。第三者委員会の調査を妨げたなどとして100%減給処分(1カ月)を受けた。

 九電の人事に対し、徳光清孝県議(県民ネット)は「市民感覚からかけ離れた内容。当時から何も体質が変わっていないことが明確になった」と指摘、反原発団体の石丸初美代表は「反省を生かすどころか、開き直りとも取れる人事。安全第一と言われても到底信用できない」と批判した。

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