政府は30日の閣議で2017年版自殺対策白書を決定した。世界保健機関(WHO)のデータベースを基に各国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を比べると、日本はワースト6位で、特に女性はワースト3位と高い水準だった。一方、15年の死因を5歳ごとの年齢階級別に分析すると、15~39歳の5階級で1位が「自殺」と判明。若年層の自殺が深刻との見解も示した。

 日本の自殺者数は減少傾向だが、人口比では世界的にも依然高水準であることが裏付けられた。政府は今夏、新たな自殺総合対策大綱を閣議決定。学校や行政の連携による若者対策や、「産後うつ」などを原因とする妊産婦対策、過労自殺対策の推進を掲げる方針だ。

 厚生労働省は、WHOのデータベースに基づき、13年以降で人口と自殺者数が把握できた約90の国と地域の自殺死亡率を算出。白書には割合の高い20カ国を掲載した。

 ワースト1位はリトアニアの30・8人(15年)。韓国の28・5人(13年)、スリナムの24・2人(14年)などが続き、日本は19・5人(14年)で6番目だった。男性でみると、日本は27・7人で12番目。女性は11・7人で、韓国(17・3人)、スリナム(13・4人)に次いで3番目に高かった。

 新たな大綱には、26年までに自殺死亡率を3割以上減少させる目標を明記する見込み。

 一方、白書に盛り込んだ警察庁の統計では、16年の自殺者数は2万1897人で、7年連続の減少。1994年以来22年ぶりに2万2千人を下回った。原因は「健康問題」や「経済・生活問題」「家庭問題」「勤務問題」が目立ち、これらが複合的に影響しているケースも多いとしている。

 15年の5歳ごとの年齢階級別死因も分析。男性は10~44歳の7階級で1位、女性は15~29歳の3階級で1位だった。

 自殺総合対策大綱 2006年10月施行の自殺対策基本法に基づき、07年6月に策定した国の指針。自殺を「心理的に追い込まれた末の死」と位置付け、相談・支援態勢の整備や、精神疾患の適切な治療などを打ち出した。多重債務や過労への対策、民間団体支援を提言。16年の自殺死亡率を05年より2割以上減少させる目標を明記した。5年をめどに見直すとし、12年8月にはいじめ自殺への対策強化や東日本大震災の被災者のケア充実を柱とする現在の大綱を閣議決定した。

このエントリーをはてなブックマークに追加