■安全性、事故率に懸念の声も                            

■漁業、コノシロ漁影響調査

 佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画に関し、佐賀県が20項目の論点で現時点での評価を公表した。オスプレイの安全性、騒音の影響など16項目に関して一定の評価を示した。米軍の利用や漁業への影響など県民や関係者の関心が高い項目について県の評価を読み解く。

●米軍の利用

 「普天間基地から佐賀への暫定的な移駐は全く考えていない」とした中谷元・前防衛相の説明、県有明海漁協に対する九州防衛局の回答で「米軍オスプレイを移駐することは考えていない」との回答を踏まえ、「佐賀空港が米軍基地化する、米軍が恒常的に利用することはないものと考える」との見解をまとめた。

 また「駐屯地整備で米海兵隊の訓練が実施されるのでは」との懸念に対しては、「沖縄の負担を分かち合うべきとの考えに基づき、全国の他の空港との横並びの中で佐賀空港の活用を考慮したい」との中谷氏の説明などを挙げ、「現時点で具体的な提案や要請はない」と強調。「今回の要請とは別の話として対応することになる」と記した。

 県は将来像もほぼ明確になったと判断しているが、将来的な打診の可能性を否定したわけではない。オスプレイ関連の設備や要員が整うことなどを考えれば、むしろ可能性は小さくないと言える。

●オスプレイの安全性

 昨年12月の沖縄・名護沖の米軍オスプレイ大破事故の防衛省による原因説明については、米側から最終的な報告が出ていないものの「現時点では不合理な点はない」と説明した。「安全な機体であるとの防衛省の評価に変わりない」「10万飛行時間当たりのクラスA(最重大)の事故率が2016年9月末現在で2・62回と米海兵隊全体と同程度」「全エンジン停止時に機体降下の空気抵抗で回転翼を回して着陸するオートローテーション機能を有すると防衛省が確認している」などと防衛省の説明を追認した。

 しかし、クラスAの事故率に関しては、直近の5年間(11年10月~16年9月)が3・44回と米海兵隊全体の数字を上回っているとの報道がある。事故率は飛行時間を重ねるほど下がるとされており、懸念を指摘する声もある。

●漁業への影響

 風圧によるノリ養殖の影響では、大型ヘリが配備されている木更津駐屯地(千葉県)周辺の海域で「影響を及ぼした事例がないことを確認した」とする。

 一方、騒音によるコノシロ漁への影響は、昨年11月の佐賀空港周辺での米軍機による試験飛行で測定できなかったことや過去の文献で調査事例が見当たらなかったことを挙げて「影響を評価することができない」とした。防衛省は6月13日にもコノシロ漁を視察するとともに、昨年の試験飛行の音源を使った影響調査の実施も検討していく。

 

=論点整理への意見募集 1日からHPなど=

 佐賀県は、佐賀空港へのオスプレイ配備計画に関する論点整理の素案に対する意見を6月1日から受け付ける。県のホームページ(HP)と県の施設に設置している県政提案箱を通して意見を寄せてもらう。

 県内在住者と県内で働く県外在住者が対象。県HPではトップページにある「佐賀空港自衛隊使用要請への対応」から意見投稿入力フォームに進み、市町名、性別、年代、職業などを選び、8000字以内で意見を書き込み投稿する。

 県政提案箱は、県庁新館のさが元気広場や県内各地の総合庁舎、県有施設など13カ所に設置されており、備え付けの専用用紙に書き込んで投かんする。

 論点整理の素案はHPに掲載、提案箱の設置箇所でも閲覧できる。募集は6月30日まで。寄せられた意見は後日、氏名を除いた形で県のHPで公表する。

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