福島第1原発2号機の原子炉真下で確認された核燃料とみられる堆積物。鉄製の作業用足場にこびりついている=30日(東京電力提供)

 東京電力は30日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内のカメラ調査を実施、原子炉直下にある格子状の作業用足場の上に黒っぽい堆積物があるのを初めて撮影し、画像を公開した。第1原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の可能性があり、東電が分析を急いでいる。公開画像では、格納容器内は本来の姿から大きく変わっており、メルトダウン(炉心溶融)を起こした事故のすさまじさとデブリ取り出しの難しさを突き付けた調査結果だ。 

 事故から間もなく6年となるが、周囲の構造物を巻き込んで溶け落ちたデブリの実態はこれまで全く不明で、東電は、確認できれば、廃炉作業で最重要な燃料取り出しに必要な技術開発につなげたい考えだ。

 東電福島本社の石崎芳行代表は記者会見で「溶けた核燃料が写っているとすれば、今後の廃炉作業の中で大きな一歩。取り出し作業をどう進めたらよいのかという大きなヒントが得られるのではないか」と話した。

 2号機の格納容器内の放射線量は2012年3月の調査時に毎時73シーベルトを観測し、数分浴びると死亡するレベルだった。今回の調査は、カメラ付きパイプ(長さ約10・5メートル)を格納容器の壁の貫通部分から挿し込み実施。パイプに線量計はなく、格納容器の外側に設けた壁の後ろで作業した。

 画像では、圧力容器真下にある鉄製の作業用足場「グレーチング」の広範囲に、黒っぽい堆積物がこびりついている様子が確認された。一部の堆積物は数センチ積もって塊のようになったり、格子状部分が詰まったりしている場所もあった。

 足場は一部の形がゆがんだり、設置場所からなくなったりしていた。事故時の高温の影響で破損した可能性もある。圧力容器下部にある制御棒を動かす装置やケーブル類も写っていた。

 東電はこの日、数時間分の映像を撮影。約2分半に編集して公開した。

 2号機では宇宙線を利用した調査などで、デブリの大部分が圧力容器内に残り、一部が圧力容器を突き抜けて格納容器の底部にたまっている可能性があるとみられていた。事故当時、2号機の圧力容器内には548体の核燃料が入っていた。【共同】

=用語解説=

■原子炉内の核燃料 ウラン粉末を焼き固めた円柱形の「ペレット」(直径約1センチ、長さ約1センチ)を「燃料棒」(直径約1センチ、長さ約4メートル)に詰めて、ジルコニウム合金製の箱に入れて束ねたものを「燃料集合体」と呼ぶ。燃料は核分裂が止まっていても高温を出し続けるため、炉心の冷却機能が失われた場合、溶けて形状を維持できなくなり、原子炉下部に落ちる「メルトダウン」につながる。

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