JAグループで商社機能を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)は25日、長沢豊副会長(67)=JA山形中央会会長=が同日付で新会長に就任したと発表した。経営を監督する経営管理委員会の委員には、トヨタ自動車常務や日本郵政公社副総裁を務めた高橋俊裕氏(77)ら企業の役員経験者を起用。業務執行トップの理事長に神出(じんで)元一専務(65)が昇格した。

 農協改革を掲げる安倍政権はJA全農に農産物の販売強化策などの実行を迫ってきた。東京都内で記者会見した長沢氏は「あくまで自己改革の実践が基本だ」とし、政権で議論された全農の株式会社化は「リスクやプラス面を緊急に検証する必要がある」と述べた。

 新体制は会長を務めた中野吉實氏(69)=JA佐賀中央会前会長=らの任期満了に伴う人事。総代会などを経て決めた。任期は3年。

 経営管理委員には三越伊勢丹ホールディングスの石塚邦雄前会長(67)も選んだ。外部委員は従来、学識経験者や弁護士らを迎えてきたが、流通改革への指導力を期待。本川一善・前農林水産事務次官(62)も選ばれ、副会長にはJA群馬中央会会長の大沢憲一氏(69)、えひめ中央農協会長の菅野幸雄氏(67)が就いた。

 長沢氏率いる山形のJAグループは環太平洋連携協定(TPP)に猛反対し、2013年参院選で野党候補を推したことがある。全国農業協同組合中央会(JA全中)の新会長に就く中家徹氏(67)は改革慎重派とされ、政権との協調に変化が生じる可能性がある。【共同】

=略歴=

 長沢 豊氏(ながさわ・ゆたか)東京農大卒。84年本沢農協(現山形農協)理事。組合長を経て12年から会長とJA山形中央会会長。67歳。山形市出身。

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