政府は25日、国の自殺対策の指針となる新たな自殺総合対策大綱を閣議決定した。自殺者は減少傾向にあるものの「非常事態はまだ続いている」と指摘し、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を今後10年で30%以上減らすとの数値目標を掲げた。

 大綱の見直しは5年ぶり。2007年の初の大綱では「10年で20%減」という目標を掲げ、達成しているが、新大綱ではさらにハードルを上げた。自殺対策を、生きることの阻害要因を取り除いていくことと定義し、長時間労働の解消や産後うつのケア、性的マイノリティーに対する周囲の理解促進など、多様な対策を打ち出した。

 年間の自殺者は、16年は2万1897人と7年連続で減少。03年の3万4427人と比べると減っているが、自殺死亡率は他の先進国と比べて依然として高い。新大綱は、自殺死亡率を15年の18・5人から、25年には米国やドイツなどの水準に並ぶ13・0人にするとしている。人口推計を勘案し、自殺者数にすると1万6千人以下となる計算だ。

 電通の新入社員による過労自殺問題を受け、長時間労働解消に向け、問題を抱えた企業への監督指導を強化。職場でのメンタルヘルス対策やパワハラ対策をさらに進めていくとした。

 また、産後うつの問題では、健康診断などを通じて、出産間もない女性の心身の状態や生活環境の把握に努め、育児をサポートする体制を確保。性的マイノリティーに関しては、周囲の理解不足がハラスメントにつながる恐れがあるとして、24時間365日無料の電話相談窓口を設置するほか、教育や雇用現場で理解が広がることに努める。【共同】

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