■弱点ではなく、才能かも!?

 「冷房が少し効きすぎて、気分が悪くなった」「肌触りの悪いシャツは着ない」「今日の料理! 火があまり入っていなかったので、下痢したようだ」など、ささいなことに敏感な人は、周囲にけっこう多いように思われます。

 この現象を最初に詳細に報告したのは、エレイン・N・アーロン博士。彼女は、カナダ・ヨーク大学(トロント)で臨床心理学の修士号、アメリカ・パシフィカ大学院大学で臨床深層心理学の博士号を取得し、サンフランシスコのユング研究所でインターンとして勤務しながら、臨床にも携わる臨床心理士で、1996年に「The Highly Sensitive Person」という本を出版しました。

 敏感すぎる人は、その頭文字をとって、「HSP」と略され、世界十数カ国に翻訳され、詳細な調査が行われた結果、一般人口の約15~20%に認められることがわかりました。5人に1人がHSPということになり、著者自身もHSPであると記載されています。

 日本でも文庫本として「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ」(冨田香里訳、SB出版 2008年)が出版され、副題として、あなたの内向的、人見知り、傷つきやすいなどの「敏感さ」は欠点じゃない!」と書かれ、仕事や人間関係、人生が劇的に変わる「繊細すぎる自分」と折り合いをつけ、よりよく生活していくためのアプローチなどが紹介されています。

 「どんな時代であれ、いずれ苦しみはどの人生にも訪れる。いかにその苦しみとともに、生き、苦しみを生きる他者の手助けをするかということにおいて、HSPは素晴らしく創造的で倫理的になれる機会を与えられている」との著者の格言は、非常に感銘を与えます。

 HSPとして生まれた人にとっては、どこへ行っても、常にストレスが存在するでしょう。HSPの方々に必要なのは、ストレスと共に生きる新しい方法を見つけ出すことにあります。この生来授かった「敏感すぎる才能」は決して病気でなく、才能だと認識できれば、生きやすくなるのだろうと思います(佐賀大学保健管理センター長 佐藤武)

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