他地域のブランド米と東与賀町産の特別栽培米「夢しずく」を試食する会議参加者=佐賀市東与賀支所

 東よか干潟がラムサール条約に登録された佐賀市東与賀町で、豊かな自然環境を米のブランド化につなげようとする取り組みが始まっている。市やJA、地元のまちづくり協議会がメンバーとなり「シギの恩返し米」の名で生産、PRを計画する。モデル水田で米を作り、課題を探る。

 プロジェクトは、東与賀まちづくり協議会会長やJAさが佐城地区東与賀支所長、佐城農業改良普及センターに市農林水産部や環境部で進めている。

 モデル水田では冬に裏作せず、水を張る。湿地に飛来するシギがミミズなどの餌を食べる環境をつくり、豊かな土壌をアピールする。米の成分など科学的にも優位性を示しながら、ラムサール条約登録湿地そばで作られている「シギの恩返し米」と銘打ち、売り込む。

 東与賀町では、207戸が有機肥料と減農薬の特別栽培米「夢しずく」を生産している。60キロ当たりの取引価格は1万2千円前後といい、ブランド化で3万円程度に上げることを目標に置く。生産者は裏作できなくなるため、取り組みを広げるには、実際に米の取引価格が上がることを示す必要がある。

 3月24日に市東与賀支所で初の会議があり、市がプロジェクトの狙いを説明し、それぞれの立場から意見交換した。市側は米単価アップにつながるブランド化のイメージを説明した。

 生産者からは、特別栽培米より基準を厳しくすることに対して、「生産者が頑張ろうと思うだけの『実入り』が示されないと、広げるのは難しい」「特別栽培米の認知度向上は課題。取り組む価値はある」などの意見が出た。

 市農業振興課は「行政の押し付けではなく、地域の自発性を尊重する。シギを呼び込む田んぼに限定せず、地域で作る特別栽培米を『シギの恩返し米』として価値を高めたい」としている。

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