「予兆」(2008年、紙にペン、インク、190×340センチ、サステイナブルー・インベスター蔵(c)IKEDA Manabu

■大震災を「予知」?

 2011年3月に東北を大震災が襲った。その3年前の08年、池田さんは図らずも、この大震災を予知したかのような大作「予兆」を描いている。巨大な波のようなものが大地とともに遊園地やビル、家、船などを飲み込んでいる。

 池田さんは当初、雪や氷河でできた世界が溶け始め、昔の文明が飛び出してくる光景を構想していた。絵では一見すると巨大な波のように見えるが、白い波涛(はとう)は雪や氷でできている。細部を見てみると、池田さんの日常風景や記憶といったものが細かく盛り込まれている。雪の上には楽しそうに滑るスノーボーダーの姿もある。

 池田さんは下絵を描かずに細部から描いていくというスタイルを取る。この絵は当初パネル3枚を組み合わせて描いていたが、後で画面に息苦しさを感じ、左側に1枚を継ぎ足している。その結果、画面左側に大きな余白が生まれた。海外のファンは作品の構図に日本的エッセンスを感じ、“葛飾北斎の再来”と高く評価した。

 池田学展は県立美術館で3月20日まで(月曜休館)。一般1200円、高校生以下は無料。

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