「やり抜く力は情熱と粘り強さ」と熱く語る錦見鋳造の錦見泰郎社長=嬉野市の塩田工業高

 ものづくりの道を志す高校生に心構えや戦略のヒントを伝える講演会が1月31日、嬉野市の塩田工業高であった。「魔法のフライパン」で知られる錦見鋳造(三重県)の錦見泰郎社長が、「ものづくりが教えてくれるオンリーワンの作り方」と題して講演し、競合他社には作れない物を生み出すまでの道のりや付加価値を生むためのポイントなどを教えた。

 「魔法のフライパン」は、厚さ1・5ミリと鋳鉄では極めて薄く軽いのが特徴で、納品まで現在1年半待ちの大ヒット商品。錦見社長は「親会社から無理難題を押しつけられる下請けを脱却したかった」と話し、これまでの部品鋳造の技術を生かして開発に着手した経緯を紹介した。

 「完成まで10年」「2ミリからさらに薄くするのに7年かかった」など、こだわりと苦労を紹介した上で、「最初の1万回は難しいが、それを超えると少し分かってくる。それなしには思った通りの物は絶対にできない」と持論を展開。「自分の作る物が社会を変えるという気持ちで、粘り強さを持つことが必要」と、唯一無二のものづくりに必要な覚悟を語った。

 講演会は中高生にものづくりの面白さを伝え、県内のものづくり企業への就職を促す県の「戦略的ものづくりプロモーション事業」の一環で開いた。

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