「新しい唐津 私が変えます!」「市政を市民の手に」―市政刷新を全面に打ち出した峰達郎の総決起集会=1月27日夜、唐津市民会館

■市政の暗雲晴れるか 選挙のしがらみ素地残る

 2007年、市発注の固定資産税関連事業を巡る贈収賄事件で総務部長が逮捕され、14年には公共事業の不正入札で企画財政部長が司直の手に。05年の合併で誕生した坂井市政は1期目から市職員、それも幹部による不祥事に揺れ続けてきた。

 「合併以来12年、唐津を覆っていた真っ黒な雲をやっと吹き払う日がやってきた」。市長選告示日の22日朝、元県議峰達郎(56)の出陣式で、唯一陣営に付いた県議は声を張り上げた。

 選挙事務所や決起集会場には「新しい唐津」「市政を市民の手に」と染め抜いたのぼりがたなびき、序盤の勢いそのまま、峰は3万票以上を獲得し、前副市長の岡本憲幸(61)らを突き放した。

 そうした選挙戦を木村眞一郎(66)はどの陣営にも組みせず、見守ってきた。政治献金問題を巡る坂井の政治責任を追及し、政治倫理審査会実現に導いた「唐津をよくする会」共同代表だ。

 「4候補とも市政刷新を訴えた。今までの市政はいけないという危機感は同じだった」。選挙の意義を評しつつ、唐津の政治風土をこう分析する。

 「唐津市民は長く『保利(衆院議員の茂、耕輔)さんを上げときゃ間違いない。人を育てるというより、政治は任せるもんだ』という考えが染みついてきた」と。そうした意識がなれあいを生み、不正の土壌となってきたとみる。

 政倫審の報告書も「単に個人の問題にとどまらず、本市の政治風土を改善することが必要」と指摘した。

 峰は信頼回復の手段として、市長給与2割カットによる「身を切る改革」を強調し、政治倫理条例の検証を公約に上げた。ただ企業団体献金をどうするか、具体的な再発防止策の言及はなかった。

 選挙期間中、地場企業、事業者も双方に分かれ、動員、集票に動いた。その中には14年の事件で有罪が確定した元建設会社役員の姿もあった。岡本陣営の幹部が遠巻きに「迷惑千万」と苦り切った表情を見せた一方、「黒い付き合いがある」と情報が飛び交う一幕も。

 選挙がしがらみを生むという素地は残ったままだ。峰陣営幹部は「取り入ろうとする集団はどこにもいる。当選したと浮かれていると危ない」と警戒感を口にした。

 激戦となった選挙も、終わってみれば投票率は過去最低の63%。有権者のしらけも感じられた。市政は刷新できるのか。6日スタートする峰市政にも、それをチェックする市議会にも、また、厳しい視線が注がれる。=敬称略

=2017 唐津市長選=

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