千葉県我孫子市で小3女児の遺体が見つかり2日で1週間。殺人・死体遺棄事件として捜査する県警捜査本部は、不審な人物や車両の割り出しを急ぐ。登校中に起きた事件に大きな衝撃を受ける地域住民。子どもの安全をどう守るのか、関係者は苦悩している。

 捜査本部によると、ベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん(9)は3月24日午前8時ごろ、小学校の修了式に出席するため同県松戸市の自宅を出た後、行方不明に。26日早朝、約10キロ離れた排水路脇で、遺体で見つかった。首には絞められたような痕があり、死因は窒息死の可能性が高い。【共同】

 ▽防犯カメラ

 翌27日以降、そこから利根川沿いに約20キロ北西の茨城県坂東市の河川敷で、ランドセルや本人の物とみられる衣類などが発見された。捜査本部は移動に車が使われたとみて、各地点を結ぶ道路沿いの防犯カメラ映像の解析などを続けている。

 自宅と小学校は直線距離で約600メートル、歩いて十数分。途中で見守り活動をしていた住民はリンさんの姿を見ておらず、捜査本部は家を出て間もなく連れ去られたとみている。

 捜査関係者によると、この時間帯に通学路付近を走っていた車のドライブレコーダーに、リンさんに似た子どもに歩いて近づく人物が写っていた。ただ映像は不鮮明で、捜査本部は詳しく解析し関連を調べている。

 ▽集団登下校

 一方、地域住民は「怖くて子どもを外に出せない」「登下校時はしばらく送り迎えをする」と、事件に不安を募らせる。

 普段から1人で登校していたリンさん。道幅が狭く交通事故の恐れがあるとして、これまで集団登下校をさせていなかった小学校は新学期からの実施も検討。地元防犯協会は巡回を強化した。

 「事件はほんのわずかな時間で起きた。学校がどう防ぐのか、正直悩むところはある」。リンさんの通っていた小学校の校長は吐露する。防犯協会会長も「できることに限界があると思い知らされた感じがある」

 2005年に栃木県今市市(現日光市)であった小1女児殺害事件後、防犯活動グループをつくった日光市の粉川昭一さん(53)は「子どもを1人にしないことが原則だが、時間がたつと見守り活動の協力者が減るなど難しさもある」と話す。

 NPO法人「日本こどもの安全教育総合研究所」の宮田美恵子理事長は、子どもに自分で身を守るすべを考えさせることも必要だと指摘。「事件から目を背けず、防犯を親子で話し合うことから始めて」と訴えている。

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