長期停止のため2013年3月に実施された原子炉容器からの燃料棒取り出し作業=東松浦郡玄海町の玄海原発3号機(代表撮影)

 佐賀新聞社が3月に実施した佐賀県内全自治体と福岡、長崎両県、半径30キロ圏の首長アンケートで、今後の原子力政策について、多くの自治体が使用済み核燃料の問題など「後処理」を当面の課題に挙げた。国は再処理して新たな核燃料を作り、再び使う政策を掲げているが実際には稼働に至っておらず、地元の不信感が表面化している。九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)で検討されている乾式貯蔵施設に対しては、長期保管への懸念や情報不足を指摘する声が上がった。(取材班)

 原子力政策に関する当面の課題では、11市町がたまり続ける使用済み核燃料の処理や処分場が決まっていない高レベル放射性廃棄物の問題を挙げた。

 使用済み核燃料は、青森県六ケ所村の工場で再処理される方針。再処理工場の完成時期は当初1997年とされたが、相次ぐトラブルで延期を繰り返し、2018年度上期の完成予定だが、さらに延びる可能性も指摘されている。再処理工場の貯蔵施設はほぼ満杯で持ち込むことは難しい。玄海原発の貯蔵プールは3、4号機が再稼働すれば、5年程度で満杯になり運転できなくなる。

 佐賀市は「安全確保に次いで、県民が不安に思っている課題」との認識を示した。多久市は「国民が納得できる対応が必要。人類としてこの問題にいかに対処するかの国際的研究、検討も必要」と回答した。

 国は、使用済み核燃料の再処理で出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を、地中深くに埋める方針だが、最終処分場は今も決まっていない。

 武雄市は「これが決まらない限り原子力政策はいずれ限界を迎える」、松浦市は「今のままではいずれは貯蔵施設が満杯になる」と警鐘を鳴らす。太良町は「再稼働に当たっては早く処分場を決めるべき」と主張した。

 九電は、使用済み核燃料を一定期間プールで冷やした後、特殊な容器に入れて空冷する乾式貯蔵施設の建設を施設内外で検討している。整備されれば、再処理が進むまでの一定期間は留め置かれることになる。

 乾式貯蔵施設の建設地に関し、4市町は管理のしやすさなどを理由に「玄海原発敷地内」と回答した。玄海原発の再稼働に反対する嬉野市と壱岐市は「建設すべきでない」と答え、「最終処分が決まらないうちに建設すれば貯蔵期間が長期になる可能性がある」「原発施設に対して住民に不安がある」と説明した。

 佐賀、福岡、長崎3県を含む13自治体は「その他」を選択した。国や事業者の責任とする一方、「安全面を第一に地元の意向を踏まえるべき」「そもそも説明不足でよく分からない」「敷地内にあれば事故時の被害が拡大する」などの課題を指摘した。

 アンケートは対象28自治体のうち26自治体が回答した。

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