ロシア・チェリャビンスク上空の隕石のビデオ映像=2013年2月(AP=共同)

 地球に接近する未知の小惑星を発見、衝突の恐れも-。SF映画のようなこんな事態に備え、被害を最小限に抑えるための方策を専門家らが議論する国際会議「プラネタリー・ディフェンス・カンファレンス」が5月に東京で開かれる。

 国連が主導し、米航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)が参加する地球防御構想の一環。日本の上空を通過する仮想の小惑星をシミュレーションし、落下の危険があれば場所を特定して住民避難を呼び掛けるための机上演習を行う。

 日本の会議の責任者を務めるJAXAの吉川真准教授は「可能性は低くても起こり得る災害。人類が生き残るためにも、事前にできる対策から取り組むべきだ」と話す。

 約6500万年前にメキシコのユカタン半島に直径10キロ程度の巨大隕石(いんせき)が落下し、恐竜を絶滅させたとの説は有名。1908年にはシベリア上空の大気圏に数十メートルの隕石が突入した可能性がある爆発が発生。広範囲で森林火災が起きた。

 こうした事態に備える必要性は以前から指摘されていたが、2013年2月にロシアのチェリャビンスク上空で隕石が爆発して一気に議論が加速した。直径は20メートルほどだが激しい衝撃波が発生し、多くのけが人や建物被害が出た。

 国連は同年10月の総会で防御構想を承認。NASAやJAXAなど各国の宇宙機関や天文台が連携して未知の小惑星をいち早く発見する「国際小惑星警戒ネットワーク(IAWN)」と、衝突を防ぐ方法を探る「宇宙ミッション計画助言グループ(SMPAG)」の2組織が動きだした。

 JAXAによると、人類の存亡にかかわる直径1キロ以上のものも含めて、地球に接近する小惑星は約1万5千個。ただいずれも軌道が分かっており、これらは現時点で衝突の恐れはないという。

 心配なのは都市や地域が丸ごと壊滅する恐れがある数十~数百メートルのものだ。スピードが速く明るさが暗いため望遠鏡で見つけにくいのが難点。地球の近くを通るが未発見のものが多いとみられている。

 吉川さんは「IAWNによる国際協力で小惑星を早く発見し、軌道を割り出すことが重要だ」と指摘。「衝突が避けられなくても、正確な落下場所と日時が分かれば事前に避難を呼び掛けることができる」と話す。

 将来は小惑星の軌道を変えて被害を防ぐことも構想されている。技術的には課題が多いが、無人探査機を体当たりさせたり、近くで核弾頭を爆発させたりするアイデアがある。SMPAGが具体策の立案と助言を担う。

 会議は5月15~19日に日本科学未来館で開かれる。【共同】

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