強心作用や利尿作用があるキョウチクトウ

 今から71年前、原爆によって焦土と化した広島。「この先数十年、草木が生えることはない」といわれたその地で、いち早く咲いたのは夾竹桃(キョウチクトウ)の花でした。

 葉が竹に似て、花は桃に似ていることから夾竹桃と名付けられたこの植物は、インド原産で暑さに強く、街路や公園などに植えられています。

 有毒植物でもあります。葉や花、枝を口に含むことはもちろん、燃やした煙を吸ったり、樹液に触れたりすれば、中毒を起こし死に至ることも。一方で強心や利尿薬に使ったり、煎じ液を打撲の腫れに用いたりと、薬草としても知られています。

 白、桃、濃紅、黄色-。色とりどりの花があの日、悲しみを背負い、立ち上がろうとする人たちの心を慰め、励ましました。今は大樹となったその木は、すずやかな日陰をえがき、人々を憩わせています。

(中冨記念くすり博物館)

=鳥栖・三神 みどりのくすり箱55=

このエントリーをはてなブックマークに追加