寮の食堂で一緒に夕食を味わい、談笑する早稲田佐賀の選手たち=唐津市の同校付設寮「八太郎館」

■「一体感」躍進の源に

 体育館の半分ほどの広さがある食堂には、8~10人で利用できるテーブルがずらりと並ぶ。約200人が一斉に食事をするととてもにぎやかだ。

 早稲田大系属の中高一貫校で、全国から生徒が集まってくる早稲田佐賀。中高生880人のうち約6割にあたる539人は、唐津市内の付設寮「八太郎館」で暮らしながら勉学に励んでいる。

 もちろん野球部も同じで、部員47人のうち41人が寮生。寝食を共にしながら団結力を高めており、その強さが佐賀大会躍進の原動力の一つになった。

 部員たちの門限は午後8時。一般の生徒より寮に戻る時間が遅く、1時間で食事と入浴を済ませる。午後9時からは2時間の自主学習。途中、休憩時間はわずか10分で、バットで素振りをするというわけにもいかない。

 朝の食事は午前6時45分から。「早起きしたり、空いた時間を見つけて素振りなどしている」。佐賀大会全5試合に出場した権藤晋平遊撃手は、部員それぞれが工夫して野球に向き合う時間を増やしていると強調する。

 一方、集団生活ならではの大きな利点もある。寮内のミーティング室はいつでも利用でき、試合前は部員みんなで対戦相手の試合映像を見て研究。試合後も家路は一緒で、その日の反省など野球の話が続く。

 もちろん、全国から集まってきた部員は多彩で、部活動で野球に励んできたものもいれば、クラブチーム出身者もいて、考え方の違いから衝突することもあった。占部晃太朗主将は「ただ、ずっと一緒にいるからこそ、分かり合える部分も大きい」と力を込める。

 古賀一則監督(37)は4月に監督に再就任するまでの2年間、寮の責任者として部員たちに接してきた。「実家で暮らしていれば親や兄弟に相談する問題も、寮生活をしている生徒は仲間と支え合い、乗り越えていく」と話す。

 部員たちのふるさとはさまざまだが、佐賀は「第二の故郷」。トレーニングで利用する学校近くの西の浜海岸で定期的にごみ拾いに取り組むなど風光明媚(めいび)な唐津に誇りと愛着を示す生徒も多い。

 「自分たちの強みである“一体感”を甲子園で発揮したい」。同じ食事をし、同じ喜びや悩みを共有しながら培った団結力で全国の強豪に真っ向勝負を挑む。

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